このたび、初めてご参加いただいた皆さま、そしていつも継続して足を運んでくださっている皆さま。いつも、実りある時間をご一緒できることに、心より感謝申し上げます。
2023年4月1日のスタートから今日まで、継続して会が運営できているのも、皆さまの温かな関心があったからこそだと思います。
不安や緊張の中で、当会に参加してみようと勇気のある一歩を踏み出してくださったことに、心から感謝しています。
私が初めて自助グループに参加した数年前のことを、今でもよく覚えています。
「行こうかなぁ、やめようかなぁ」と3日前から悩み、前の晩は緊張でよく眠れませんでした。
当日、会場へ向かう車の中でもドキドキが止まらず、施設の入り口では「このまま帰ろうか」と立ち止まり…扉の前では何分間も動けずにいました。
普段行きなれない場所、初めて会う人たち、そして「どんなことが行われているんだろう」という終わりのない不安。
HPなどではプライバシーの関係上、どうしても会の雰囲気が伝えづらいからこそ、想像だけがふくらんで参加のハードルが高く感じられる方も多いと思います。
私たちの会では、分かち合いを通じて、お互いを支えあうこと(相互扶助)を大切にしながら、ご自身の体験や気持ちを、安心して話せる温かい雰囲気づくりを目指しています。
それは、かつて養育者から充分に私の感情や思いを受けとめられなかった。それでも受けとめて欲しかった。そんな未完結の想いを持つ多くのアダルトチルドレン(AC)の方が、「この2時間は自分の気持ちを言っても受けとめてくれるんだ」という安心感をみんなで育てていきたいという願いがあるからです。
その安心感を皆でつくるために、当会では多くの自助グループでも採用されているようなルールを参加者の皆さまにお願いしています。
助言や評価よりも『傾聴』を大切にしているのは、かつて子供だった私たちが本当に欲しかったものを、今からでも味わいはじめたいからです。
もしかしたら、「期待していたものと違ったなぁ」と、感じる方もいるのかもしれません。「人前でうまく言えなかったなぁ」と思う方もいるかもしれません。
当会は現在、予約制をとっていません。それは、もし予約をしたのに当日来れなかった場合、「迷惑をかけたかもしれない」「もう行けないだろうな…」と罪悪感を抱えてしまう人がいるかもしれない、という思いからです。
でも、こんどは予約制にしないことで、当日何人集まるのかわからない不安もあります。
「複数人いると思って来たのに、少なかったなぁ…」と残念に思う方もいるのかもしれません。
運営者も、何が正解なんだろうと毎回考えます。でも正解なんてすぐに見つかるものではないことも知っていて…そんな中で、迷い悩みながら、よりよい選択を今も探しています。
「自分はアダルトチルドレンかもしれない」――そう感じるかどうか。それだけが当会の参加条件です。ACは自覚用語とも言われ、そこに明確な診断や基準はありません。
だからこそ、ご自身でそう思うのかどうかを大切にしています。けれど、参加し始めた頃は、仲間の話の話を聴きながら、
『自分はここにいていいのかなぁ』
『みんなの方が私よりずっと大変なのになぁ』
『なんだか自分だけ場違いな気がするなぁ』
そんなふうに感じてしまうこともきっとあるかもしれません。そうした感情は、これまで私たちが経験せざるを得なかった孤独感や自己否定感、罪悪感となって再び顔を出してくることがあります。でも、参加を続ける中で、仲間と自分の体験を分かち合いながら、少しずつ自分への理解が深まることが仲間との分かち合いから語られています。
そして、心の中ではこんな気持ちがせめぎ合うかもしれません。
『行きたい、でも行きたくない』
『話したい、でも話したくない』
『分かってほしい、でも分かってほしくない』
―――――
そんな葛藤が生まれたときは、どうか無理をしないでください。
それでも、もしよかったら、もう一度だけ足を運んでみてください。
もしかしたら、もしかしたら、前回よりも少しだけ「来てよかったなぁ」と感じられるかもしれません。
皆さまとともに育む心の豊かさは、この会を出た後も、きっと皆さまの心の中に温かく居続けて、より良い人生の選択を後押ししてくれると信じています。
いつも、皆さまのおかげで充実した会が開かれていることに、改めて感謝を伝えさせていただきます。いつも本当にありがとうございます。
変えられるものと、変えられないもの。そしてその二つを見分けることのできる智慧が、これからも皆さまと一緒に育まれますように。
そして、今日という一日を大切に取扱うことができますように。
今後も当会をよろしくお願いいたします。
2025.4.18