ACとは
<アダルトチルドレン>
アダルトチルドレン(AC)とは、機能不全家族で育ったことによって、今もなおトラウマや低い自尊感情、人との関わりの難しさを抱えている状態を表す、自己理解のための言葉です。
もともとはアルコール依存症の親のもとで育った子どもを指していましたが、いまではアルコールに限らず、さまざまな「安心できない家庭環境」で育った人たちを含む広い意味で使われています。
家族のかたちは人それぞれですが、機能不全家族とは、安心して過ごせない、心が傷ついてしまうような体験が積み重なることを指しています。
たとえば…
暴力的な言葉や行動があった
ネグレクト(育児放棄)を経験した
DVの様子を見て怯えていた
本音を言うことが許されなかった
家庭内の不和や対立で常に緊張していた
過干渉で自分で何かを決めることが難しかった
養育者の要求を優先せざるを得なかった
「私なんかいなければ良かった」と思わされた
また、兄弟姉妹の中で自然と役割を背負っていた方もいます。
「ムードメーカー」「期待を背負う子」「親の問題を引き受ける子」「存在を消す子」…。
どれも、その場をなんとか乗り切るための必死の工夫でした。
子どもには「私の家族はなにかおかしい」と客観的に理解する力がまだありません。
だからこそ、どんなに理不尽でも「自分が悪い子だから」と思い込むことで、気持ちを保つしかなかったのです。
怒りと悲しみ、そして恥と自責…。それらの感情は私たちの心に深く入り混じっていました。
子ども時代に身につけざるを得なかった行動や考え方は、大人になっても無意識のクセとなって現れます。
認められることに必死になる
つねに不安や恐れにとらわれる
白黒思考に縛られる
人と比べて苦しくなる
アルコールやギャンブル、性行為などやめられない行動に走ってしまう
それは「真面目な人」「優しい人」と評価されることもありますが、本人にとっては終わらない緊張や満たされなさにつながってしまいます。
けれども、そんな中でも今日まで生きてこられたのは、私たちが想像する以上の「勇気」と「強さ」を持っている証拠ではないでしょうか。
その力は、ACの苦しみが少しずつ和らいでいったとき、今と未来を良いものに変えていける希望となると、私たちは考えます。
「私なんか参加していいのかな…」そう感じる方もいるかもしれません。
けれど、つらさや悩みは、誰とも比べられないあなただけの大切な感情です。
私たちは「比較すること」ではなく「分かち合うこと」を大切にしています。
これまで人と比べざるを得なかった人生から、せめて「ここでは比べなくていい」と思える時間を一緒に過ごしていきませんか。
あなたが勇気を出してここに来てくれることを、私たちは心から歓迎します。
・当会が表記している行動や認知の特徴はほんの一例であり、決めつけたり非難をするものでは決してございません。
・ACは医学的な疾患名ではなく、自己理解のための言葉であることから、当会が診断を下すようなことはしておりません。よりACのことを知りたい場合は、書籍等をご覧ください。
・現在精神疾患等の治療をされている方は、主治医や周囲の方々とご相談の上、無理をしない範囲でご参加下さい。